最難関で最高級のビブラート!横隔膜ビブラートをかける4STEPを解説

横隔膜ビブラートの出し方

ビブラートには様々な種類があることを「ビブラートとは」で紹介しました。その中で、今回は横隔膜ビブラートをかける方法についてお伝えします。

横隔膜ビブラートは、ビブラートの中でも習得がもっとも難しいのですが、その分一番綺麗なビブラートがかかります。この記事を読んでぜひ、習得していただければと思います。

記事の内容はYouTubeでも解説しています↓

目次

横隔膜ビブラートとは

ビブラートは、息を強弱させることで声を揺らすテクニックのことですが、どこで息を強弱させるかによって呼び方や練習法が変わります。そして横隔膜ビブラートとは横隔膜を使い、息を強弱させることで声を揺らすビブラートです。

横隔膜ビブラートのポイント

それでは次に、横隔膜ビブラートを習得する上でのポイントを紹介します。

横隔膜ビブラートのポイントは横隔膜を動かそうと意識しないことです。言い換えれば、横隔膜のある上半身(みぞおち辺り)に力を入れないことです。

上半身に意識を持っていってしまうと、筋肉がこわばってしまいます。以下の練習法で詳しくお伝えしますが、意識する場所を変えることが大切です。

横隔膜ビブラートのかけ方

それでは、ここから横隔膜ビブラートのかけ方を具体的に解説していきます。

STEP1:横隔膜の位置を確かめる

まずは横隔膜の位置を確認しましょう。みぞおち辺りに優しく指を差し込んで、軽く咳払いをしてみてください。

そうすると「べん!」っと跳ね返すものがあると思います。それが横隔膜です。横隔膜ビブラートは、この部分を動かし息の強弱をつけて起こすビブラートになります。これなら喉に力が入りづらく、良い発声のままできるビブラートなのです。

STEP2:ドッグブレスで横隔膜の動きを感じてみる

次に「ドッグブレス」をしてみましょう!ドッグブレスとは犬が「ハッハッ」と息を吐くように、ちょっと強めにブレスをすることです。

さっきの咳払いをドッグブレスに変えて「ハッハッ」と息を出してみてください。咳払いと同じところがまた「べん!」となったら成功です。

STEP3:横隔膜ビブラートの息使いを覚える

今度は「ハッハッ」を「スッスッ」に変えてやってみてください。声ではなく、あくまで息で出します。

それができたら、次に「スッスッ」を「ス〜ス〜」と息を途切れさせることなく続けてみてください。イメージとしては汽車が走るような感じです。

ここで横隔膜の動きが止まるようなら、上半身の余計なところに力が入っているかドッグブレスの感覚が消えているということです。体をリラックスさせつつ、ドッグブレスを意識しましょう。ここまでできたら仕上げです。

STEP4:ウィスパーボイスで声を揺らす

今度は「ス〜ス〜ス〜」を声を出して「ハア〜ハア〜ハア〜」に変えてください。うまくいけば、これでビブラートがかかります。しかしなかなか難しいものです。

ここで思い出してほしいのは、横隔膜ビブラートとは横隔膜を使い、息を強弱させることで声を揺らすテクニックということ。なので最大のコツは、しっかり息が入った声つまりウィスパーボイスで練習することです。

繰り返しになりますが、横隔膜ビブラートで大切なのは息を切らさないことと、上半身に力を入れないことです。これを意識すれば、最初は難しくても声を揺らす感覚を掴めると思います。1回でも揺れてる感覚が掴めれば、あとはクオリティを上げるために繰り返し練習しましょう。

横隔膜ビブラートの練習曲

最後に横隔膜ビブラートの練習に最適な曲を男女別に紹介します。まずは、男性編です。

絢香×コブクロ/WINDING ROAD

絢香×コブクロの「WINDING ROAD」です。コブクロがビブラートをかけているためか、絢香はビブラートをかけてないのも印象に残ります。

特にAメロ、だいたい0:45〜1:05のコブクロのパートは全ての語尾が横隔膜ビブラートです。チャレンジしてみてください!

Beyonce/Listen

女性編は難易度の高いビブラートにふさわしくビヨンセの「Listen」を選んでみました。出だしの「♪listen〜」からしっかりビブラートがかかっています。動画の0:19あたりの「♪complete〜」にもかかっていますね。是非聴きながら確認してみてください!

横隔膜ビブラート上達のためのプラスα

最後に、横隔膜ビブラートの上達を助ける3つのスキルを紹介しておきます。この3つができることで、よりスムーズに横隔膜ビブラートを出せるようになります。

腹式呼吸

ビブラートの中でも、横隔膜ビブラートは息を安定させることが特に必要です。そのためには腹式呼吸が絶大な効果があります。

正しい発声

腹式呼吸で安定させた息をしっかり発声に活かすことも大切です。以下の記事で歌の基本的な発声を身につけられます。

ウィスパーボイス

上でお伝えしたように、横隔膜ビブラートを出すには息の比率が多いウィスパーボイスを出すことが大切です。より綺麗なウィスパーボイスを出したい人や、そもそもよくわからないよって人は以下の記事を参考ください。

まとめ

いかがでしたか?一般的には「難しい」と言われている横隔膜ビブラートも理屈はそんなに難しいものではありません。

では、なぜ難しいと言われているのか?それはまず、腹式呼吸や息の入った響く声が出ないとかかりづらいこと。そして普段の生活では、意識して横隔膜を動かすことがほとんどないからです。

この記事でお伝えした横隔膜ビブラートのかけ方を正しく実践してもらえれば、必ず横隔膜ビブラートは身につきます。

ただ、横隔膜ビブラートは間違った覚え方をしてしまうと、変に力が入ってしまい今まで以上に声が出なくなる可能性もあるのです。なので、練習してみても横隔膜ビブラートの感覚がイマイチ掴めないのであれば、普段は自力で歌を上達している人も、ここだけは自分だけに頼らずプロのボイストレーナーに相談するのも一つです。

いずれにしても横隔膜の使い方がわかれば、今回のビブラート以外にも抑揚表現が身についたり、パワフルに歌うことができたりと、メリットが盛りだくさんです!ぜひ習得して楽しく歌ってもらえればと思います。

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