カラオケやライブで「あ〜この人、歌が上手いなあ」って感じることがありますが、人に『歌が上手い』と思わせる正体は何なのでしょうか?
そこで今回は、歌が上手いと言われる人の特徴について紹介します。
前提:『歌が上手い』に基準はない
まず前提として『歌が上手い』に「こうじゃなきゃいけない」みたいな基準はないってことを頭に入れておいて欲しいと思います。
知っての通り、世の中には本当にたくさんの歌があり、歌い手一人ひとりに特徴や個性があります。当然ながら、その歌い手の人達をランキング付けすることなんて本来はできません。
「これとこれができてるから、この人は90点!」みたいな単純なものではないし、何を持って『上手い』とするかは最終的には人それぞれの感じ方にゆだねられます。
ただ、その上で、一般的に歌が上手いと言われる人にはいくつかの特徴があるのは事実です。この記事ではその特徴10個を紹介していきます。
歌が上手い人の10の特徴
1:リズム感が良い
最初にリズム感について紹介するのには理由があります。
歌が上手い人というと『音程を外さない』とか『高い声が出せる』といったことが思い浮かぶかもしれません。しかし、それ以上にリズムというのは『歌が上手い』ことにとても深く関係しています。
一度、『歌が上手くない人』について考えてみましょう。歌があまり上手くないなあって思う時には「なんかズレてるな」という感覚がありませんか?
このズレというのが主に『音程』と『リズム感』になります。そして音程よりもリズム感がズレている方が、聴いている人には違和感を感じるんです。
もし音程がズレていても、リズム感が合っていれば曲の勢い(アップテンポな曲の場合は特に)に乗って歌い切れば、一曲を通して聴きにくいという印象はそんなにありません。
逆にリズム感がズレている場合。聴いている側からしたらリズムに乗りにくく、ちぐはぐな印象になると思います。たとえ音程が完璧だったとしてもです。
なので、リズム感が良い人は音程の良し悪し以上に、聴いている人に違和感を与えることがないため、上手く聴こえるんです。
2:音感が良い
音感が良い人は、自分で音程を正確に把握できるので、音程を外しにくくなります。
音程がしっかり取れると、結果的にメロディが明確になるので、聴く人に安心感を与える歌声になります。
3:正しい発声ができる
これは『2:音感が良い人』にも繋がります。ここで言う正しい発声とは、喉声じゃない、歌う上で基本となる発声のことです。
正しい発声で歌えれば、声に響きが生まれたり、喉を痛めなくなったり、自分が思った通りの声を出せるようになります。
実は、音感が良く自分の音程のズレにも気づけるのに、自分が思ったように上手く歌えない人はとても多くいます。それは、正しい発声で歌えていないことで、頭では分かっていても思ったような声に修正できないからです。
なので逆に、音程を外さない、外してもすぐ正しい音を取り直せる人は、正しい発声が身についているし、歌の基本ができているとも言えます。
4:歌に抑揚がある
歌は『感情の表現』と言っても過言ではありません。
抑揚は歌に感情を入れるテクニックの一つで、歌にリズムの揺らぎを生ませたり、明るい声や暗い声などの使い分けをすることで、細かな喜怒哀楽を表現できます。
抑揚のある歌声は、人の感情により訴えかけてくるので「この人、表現力すごいな!」という印象を与えます。
また、抑揚をつけられる人は、自分の声をコントロールできる、自分が思った通りの声を出せるということなので、『3:正しい発声ができる』も身についていると言えます。
5:自身の本当の声で歌える
本当の声とは、素直に発声している声のことです。
実は私たちは生きているうちに、声を『加工』してしまっているんです。自分ではなかなか気づきにくく、人によって様々な加工があります。例えば、
- 角が立たないように柔らかい感じに声を加工している人
- 明るく見せたくて声質を高めに声を加工している人
- 落ち着いたキャラになりたくて、声質が低めの声に加工している人
などです。
昔、知らない人から電話がくるとお母さんの声がハイトーンボイスに変わってましたが、あれも加工した声ですね
無意識でも、わざとでも話す相手やその時の状況、環境などによって私たちは声の感じを変えています。そして加工された声が当たり前になってしまい、本来の素直な声を出せなくなっている人が多くいるんです。
そんな中で、これは感覚的なものではあるんですが、不思議と人の心に届き、心を震わせる歌声をもつ人というのは自分の素直な声、本当の声で歌っている人なんです。
6:声量がある
声量がある人は声に迫力があります。ミュージシャンがあえてマイクを通さずにアカペラで歌い上げるシーンなどもありますが、それも声量があるからできる技です。
声量があれば、歌の語尾などで「あーーーー」と音を伸ばしても声が弱くなりません。演奏やBGMに負けず、強く響き渡る歌声は聴く人のテンションもぐーんと上げてくれます。
7:歌にダイナミクスがある
ダイナミクスとは『声量差』のことです。ダイナミクスがある人は、自分の中で20%や10%程度の声量しか出さなくても、声がぼやけたり聞き取りずらくならずに歌うことができます。
実は人の耳は、一定の音量を聴き続けているとすぐに慣れてしまいます。「迫力のある歌を届けよう!」と思って、ずっと大きな声で歌っていても、聴いてる人はその音量が当たり前に感じてくるため、インパクトのある歌を届け続けることはできません。
しかし、ダイナミクスを持っていれば、10%の声量でもしっかり歌えるので、100%で声量を出した時、その声量差が圧倒的な迫力を演出してくれます。
私は自分の師匠に「プロとは100%の声量を120%に上げれる人ではない。10%でしっかり歌える人だ」と言われたことがあり、今でも深く心に残っています。
8:テクニックを使いこなせる
歌にはビブラート、ロングトーン、フォール、しゃくり、フリップなど様々なテクニックがあります。これらを使うことで歌を、より表現豊かに届けることができます。
「ここだ!」ってところでテクニックを使いこなし、歌に深みを与えられることは歌が上手い人の特徴に当てはまります。
9:声に深みがある
これは『3:正しい発声ができる』『5:自分の本当の声で歌える』にも通じます。
喉を締めずに正しい発声ができていると喉の空間は広くなり、しっかりと息が通るようになります。そうすると、声に響きが生まれて深みのある声になるんです。
シンプルに「いい声だなあ」と思わせる、深みのある声を出せることは歌が上手い人の一つの特徴と言えます。
10:自信を持って歌える
これは「歌が上手くならないと自信はつかないよ」って言われるかもしれません。
しかし、最初に話した前提の通り『歌が上手い』に絶対の正解はありません。結局、聴く人やその時の状況によって『上手い』の基準って変わりますし曖昧なものなんです。
それに、普段どんなにリズム感があっても、音程が取れていても、声量があっても、テクニックを使えても、毎回満足できる歌が歌えるわけじゃありません。それは、プロのアーティストでも同じです。
なので「自分なんて、まだまだ・・」って思ったとしても、歌う時は今その時表現できる歌を精一杯歌えば良いんです。
もし、多少音程が外れてしまっても、声がかすれても自信を持って楽しんで歌っている姿はかっこよく見えます。自分の歌の技術やレベルがどうこうというよりも『歌うという行為』に自信を持つことが大切なんです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
『歌が上手い』と一口に言ってもいろんな要素があることが分かったと思います。
紹介した10個の特徴をみて「確かにあの人はこれが当てはまってるな〜」というのもあったかもしれません。また「自分はこれができてないな〜」というのも見つかったかもしれません。
もし、ぼんやりとでも「歌、上手くなりたいな」と思っているなら、今回紹介した10個の特徴の中から「これ気になるな」といったものをキッカケに練習していただければ嬉しいです。
このサイトには他にも歌の上達に役立つ記事を載せていますので、そちらもぜひ読んでみてください。