歌に色気や切なさをプラスするウィスパーボイスの出し方

ウィスパーボイスの出し方

前回の記事「ウィスパーボイスとは|具体例と3つのメリットを紹介」では、ウィスパーボイスがどんなものかお伝えしました。そして今回は実践編として、ウィスパーボイスを綺麗に出すポイントと具体的な練習法を紹介します。

ウィスパーボイスを上手く使えるようになれば、歌にグッと抑揚や色気を出すことができます。すごく良いスパイスになるテクニックです。それでは始めていきましょう!

ウィスパーボイスを出すための3つのポイント

最初にウィスパーボイスのポイントを押さえておきましょう。ウィスパーボイスを綺麗に出すために、まずはしっかりイメージを掴むことが大切です。

ポイント1:声だけではなく息を意識する

歌がうまくなる第一歩!喉が痛くならない正しい声の出し方」の記事に詳しく書いていますが、声というのは厳密には『息』とセットで成り立っています。なので発声する時は、息の流れをしっかり意識することで、ウィスパーボイスが出しやすくなります。

ポイント2:普段とは声と息の比率を変える

なんとなくイメージできるかもしれませんが、ウィスパーボイスは声と息のうち、息の比率を上げて歌うことです。

例えば、あなたが普段出している声が『声:息』の比率が『50:50』だとします。この比率を『30:70』のように、息のほうを多くして歌った時の声がウィスパーボイスです。

普段出している声とウィスパーボイスの違い

ポイント3:弱い歌にならないように注意

ウィスパーボイスを出そうとしてよくあるのが、声も息も小さい『弱い歌』になってしまうことです。

さっきの例でいうと『声:息』の比率が『30:30』など、合わせて100%になっていない場合のことをいいます。

弱い声とウィスパーボイスの違い

ウィスパーボイスにするためには、声と息が合わせて100%になるように意識して歌いましょう。

ウィスパーボイスの練習法

それでは、ここからウィスパーボイスの練習に入りましょう。

STEP1:しっかり発声する

まず同じ音で「あーえーいーおーうー」と発声します。大切なのは全ての声量がそろうように意識して発声することです。声量がそろったなと思ったら、その時の息と声のバランスが『50:50』だと想像しましょう。

STEP2:息と声の割合いを変える

次に、声量がそろった時の声を息の多い割合に変えていきます。『声:息』の割合が、『40:60』『30:70』『20:80』のようにどんどん息を多く、声を少なくしていく感じです。

息が多くなるにつれ、声量がバラバラになってくると思いますが、これがそろうように練習しましょう。それが、ウィスパーボイスの原型です。

STEP3:ウィスパーボイスで音読する

声量がそろってきたら、ウィスパーボイスを使いたい歌をメロディはつけずに、ウィスパーボイスで音読しましょう。

最初は難しいと思いますが、これも慣れるまで繰り返し練習するしかありません。音読に慣れてきたら、最後はメロディをつけて歌にしていきます。これで、息が多く入った優しい声のウィスパーボイスの完成です。

男女別ウィスパーボイスの練習曲

それではここで、ウィスパーボイスの練習に最適な曲を男女別に紹介します。まず、男性編はSam Smithの『lay me down』です。

Sam Smith/lay me down

この曲は歌い出しの0:25からウィスパーだらけです。「♪yes」はウィスパー、「♪I do」は通常、「♪I believe」はまたウィスパー。開始数秒で難しいですがここにチャレンジです!

続いて女性編はBritney Spearsの『Everytime』です。

Britney Spears/Everytime

この曲はウィスパーだらけで、とても勉強になります。出だしからサビ前まで、ほとんどウィスパーボイスですのでチャレンジしてみましょう!

ウィスパーボイス上達のためのプラスα

最後にウィスパーボイスがより出しやすくなるトレーニングを2つ紹介します。それは『正しい発声』『腹式呼吸』です。

ボーカルの技術は、正しいやり方で練習することが大切です。ただそれ以上に、そもそも歌える身体ができていないと習得に余計な時間がかかってしまうのです。以下の2つが身につけば声量を保ちつつ、より多くの息を吐くことができるので、ウィスパーボイスを出しやすくなります。

ウィスパーボイスに限らず、他の様々な発声練習や歌唱技術の基礎となるものです。ぜひ身についているか確認して、歌に適した身体を創り上げましょう。

まとめ

ウィスパーボイスは一見簡単そうにみえます。しかし、息の量を強めたまま声量を一定に保たないと『弱い歌』になってしまいます。もし、思うように強い声や息が出ないのなら、『正しい発声』と『腹式呼吸』から鍛えてみてください。

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