歌が上手いなあって人には共通点があります。
そのうちの一つが『安定した声』を出せること。安定した声は聴く人に安心感を与えられます。逆に不安定な声で歌ってる人の歌を聴いていると、どこかハラハラしたり「頑張れっ!」て応援したくなるものです。
そこで今回は、声を安定させるトレーニングのやり方を『母音の呼気圧』という視点から紹介します。
声が安定しない原因
声が安定しないといっても原因は様々です。
- 声量にバラつきがあるから
- 声の響きが一定になっていないから
- 声が震えているから
- 音程がグラついているから
- 途中から喉声になっているから
- 声が裏返っているから
など沢山ありますし、練習方法もそれぞれ違います。
その中で今回は「声量にバラつきがある」「声の響きが一定にならない」ここを改善できる『呼気圧のコントロール』というトレーニングをやっていきましょう。
呼気圧とは?
呼気圧[こきあつ]とは、息の強さと覚えてもらって大丈夫です。響かせ方やコントロールなど少し複雑なものではあるのですが、単純に言えばこの呼気圧が増えると声量が上がります。
声の安定は母音の声量がポイント
普段何気なく話している言葉には必ず母音があります。日本語だと『あ・い・う・え・お』ですね。この5つの母音を同じ声量でしっかり出すことで、安定した声になります。
そして、そのために必要なのが呼気圧、つまり息の強さをコントロールすることです。
母音によって必要な声量が違う
5つの母音を全て同じ呼気圧で発声すると、声量にばらつきが出てしまいます。
例えば「うーいー」としっかり発声してみてください。そうすると、「う」に比べて「い」の方が声量が出ていませんか?
ということは、このまま歌うと母音によって声量が変わることになります。ちょっとした差かもしれませんが、これでは安定した声にはなりません。
これをそれぞれの母音の呼気圧をコントロールして、どの母音でも同じ声量にすることで発声が安定します。
それでは、具体的なトレーニングのやり方をみていきましょう。
母音の呼気圧をコントロールして声量をそろえるトレーニング
5つの母音のうち、他よりも強めに呼気圧をかけないと声量が出ないのは「う」と「お」です。ここに注目して練習します。
STEP1:「うーいー」と発声する
さっきと同じく「うーいー」と発声してみてください。大切なのは声量をそろえることです。
上に書いたように「う」が呼気圧を多く必要とするので、「い」に比べて「う」の時は呼気圧を少し強めにしましょう。
これを何度も繰り返して「うーいーうーいーうー」と発声して、声量がそろうように練習していきます。
声量がそろっているか分かりづらかったら録音してみると良いですね!
STEP2:「おーえー」と発声する
今度は同じ方法で「おーえー」と発声してみます。これも上に書いた通り、同じ呼気圧で発声すると「お」よりも「え」の方が声量が出てしまいます。
ですので、「え」に比べて「お」の時は呼気圧を少し強めにしましょう。
これも繰り返し「おーえーおーえーおー」と発声して、声量がそろうように練習していきます。
最初のうちは意識して呼気圧を変えないと声量ってそろわないものです。「あ」「い」「え」はだいたい同じくらいの呼気圧なので、上記の2ステップのトレーニングを繰り返すと、自然と5つの母音の声量がそろってきます。
それは結果的に安定した声になります。
まとめ
地味な練習ではありますが、耳を傾けるとどれだけ母音によって声量が変わっていたかが分かって面白いと思います。
このトレーニングを普段から繰り返しやっておけば、いざ歌う時にそれほど意識しなくても、声量と声の響きがそろってくるようになります。少しの時間でできるので、ぜひ毎日やってみてください。